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【イベント報告】「短歌よもうよ vol.3」を開催しました!

2024年8月11日に「短歌よもうよvol.3」を開催しました!

1回目、2回目の様子はこちらからどうぞ。

第3回目となる今回は、今年度初開催ということもあり、1回目と同じ形式をとって、おすすめの歌・歌集を紹介しあう会としました。歌集を持ってこなかったという参加者の方もいましたので、展示してある歌集を味わう時間を設けました。
その後、歌集を読んでみての感想や、すきな歌の発表を行いました。いくつかご紹介します。

(歌集を読んでみての感想)
はじめに、岡野大嗣『うたたねの地図』を読んだが、日常的すぎて刺激がなく、自分には合わなかった。その次に、初谷むい『わたしの嫌いな桃源郷』を読んだが、こちらは男女の恋愛が主でこちらの方が自分に合っていると感じた。こんなに歌集が出ていると知らなかったので、知れてよかった。

参加者より

(すきな歌)
夢に出てきたって私を好きじゃない平安の人は間違っている
家出少女みたいな謎のメンタリティ2人でいると文字化けしそうだ

手塚美楽『ロマンチック・ラブ・イデオロギー』より


図書館の本以外にもスタッフ私物を持ち込みました。


参加者私物。

会の途中にはスタッフの偏愛にまみれたブックトークも。こちらでも少し空気感をお届けします。

笹井宏之『ひとさらい』

第1回目の「短歌よもうよ」で歌人の天野慶さんが笹井宏之さんの『えーえんとくちから』について話されていたのを思い出して、今回この1冊を選びました。個人的には圧倒されるもの、感動するものももちろん心震えますが、こんなこと歌にしていいんだ!?という歌がすきです。特にすきだった流れを紹介します。

「スライスチーズ、スライスチーズになる前の話をぼくにきかせておくれ」
「雨だねぇ こんでんえいねんしざいほう何年だったか思い出せそう?」
ミュンヘンのかっぱえびせん売りを乗せタクシードライバーが笑いだす
コロンボさんのかみさんが亡くなってセリフが減少しています、警部
    警部、
「えんぴつをけずる道具だなんて、だいこんおろしできるまえに言ってよ」

笹井宏之『ひとさらい』

山田航(編著)『桜前線開花宣言』

スタッフ自身が初めて現代短歌に触れた歌集がこの一冊でした。図書館にあるので是非見てもらえたらと思うのですが、カバーはパッと目を引くピンク。これを大学の屋上で読んでいたら、桜の花びらが舞ってきて、ページの隙間に入り込む様はまさに一首できそうな光景だったことをよく覚えています。これは編著者の山田航が、1970年代以降に生まれた歌人をピックアップして解説と共に紹介をしている一冊です。歌をどう楽しんでいいのかわからない、どんな歌人がいるのか知りたい、自分に合う歌人を見つけたい!という方にぴったりな一冊です。こちらも個人的にすきなものをいくつか取り上げます。

おにぎりをソフトクリームで飲みこんで可能性とはあなたのことだ
雪船えま『たんぽるぽる』
でもこれはわたしの喉だ赤いけど痛いかどうかじぶんで決める
兵庫ユカ『七月の神像』
わたくしも子を産めるのと天蓋をゆたかに開くグランドピアノ
小島なお『サリンジャーは死んでしまった』

山田航『桜前線開花宣言』

(千葉)